民藝旅 / MINGEI

民藝旅 【東京編】いざ、日本民藝館へ!

柳先生の著書「手仕事の日本」いい本でした…

「どこそこの何がいい」と知識は読んだけれど、それがどんな形で、大きさで、色なのか、検討もつかない。どんどこ妄想が広がって、期待感が高まるばかり。

“日本民藝館には、先生の選んだ民藝品が展示されているから、若い人にぜひ訪れてほしい” という、柳先生のお言葉に背中を押され。民藝品の総本山、日本民藝館を訪れることにしたのは、1月の終わりのことでした。

1. いざ、日本民藝館へ
茨城から東京へ、バスでどんぶらこ。電車に乗り換え、井の頭線・駒場東大駅で降り、歩くこと5分。道中に貼られたポスターによると、ちょうど、日本民藝館では「柳宗悦の直観」展が開催中とのこと。ポスターのメインビジュアルは、縄文土偶。もったりとしたかわいさに、口角がむふふと上がります。

道の突き当りを、道なりに右に曲がると、突然、異様にかっこいい建物が道路を挟んで2つ、建っていました。言葉はいらない。これが、日本民藝館。

威風堂々とは、このことかぁ。と熱いため息がこぼれました。道向かいにあるのは、柳先生のご自宅。

東京のど真ん中で、こんな立派な門構えで。柳先生という人は、それはそれは、どえらいお金持ちだったんだな。と圧倒される庶民。なかなか中に入る勇気が出なくて、敷地の周りをウロウロしました。

屋根の、あんなところ(名前がわからない)にも木彫が…

立派な石像が…お寺さんなのかな…思わずお賽銭を置いて拝みたくなるような、粛々とした雰囲気。

お庭の植物も、見てください。これは笹なのかな…こんなおしゃれな笹、茨城にはねえだよ。

ウロウロ、行ったり来たり、10分くらい。静粛な雰囲気に気持ちが落ち着いてきたので、意を決して、民藝館の引き戸を開けました。

(白、大谷石、木のこげ茶が良いコントラストです…)

(館内は撮影禁止なので、ここからはお写真がありません。想像しながら、お楽しみください。)

 

 

扉を開けると、中央に洋館のような大階段。貴婦人が静々と降りてきそう。天井は高く、凛とした雰囲気。こんな立派な西欧風の日本家屋、見たことがありません。

入り口で靴を脱ぎ、皮のスリッパに履き替えます。靴は、黒い不織布の手提げの中へ入れ、左手の受付に向かいました。

受付は教養深そうな女性。入館料の1,100円を払いながら、聞いてみました。

 

「民藝について調べていて、学芸員さんにお話を伺いたいのですが」

入館証を用意していた受付女性の手が止まる。

「学生ですか?」

(学生に見えたのも仕方がない、とてもカジュアルな格好だったのです。)

「いいえ、個人で民藝について調べていまして…」

「アポイントは取っていますか?」

 

背中に、冷汗が流れる。美術館や博物館で、学芸員さんと話すためにアポイントを取らなければいけない、ということを知らなかったのです。

「いいえ、すみません。」

「アポイントを取るのが、筋だと思いますけどね。学芸員は忙しいんです。今、聞いてみますから、お待ちください。」

 

駆け出しから大失敗。もともと低い鼻っ柱がぺちゃんこ。これから日本民藝館を訪ねて、学芸員さんと話したいな、と思っている方。アポイント必須です。お書き留めください。

お忙しい中、学芸員の月森さんが出てきてくださいました。

アポイントを取らない、礼儀を欠いた自分が恥ずかしくて、頭の中はプチパニック状態。月森さんに、民藝について調べていること、「民藝ってなんだろう?」「柳先生の定義が、現代の民藝品と合わなくなっている可能性はないか」など。疑問だらけで、答えを見つけたくて、ここにきたことをしどろもどろに伝えました。月森さんは、うんうん、と話を聞いてくださった後。

「まずは、ちゃんと質問をまとめてから来ましょうね」

自分の至らなさのダブルパンチに、氷山の鋭角に頭をぶつけて消えてしまいた気持ちになりました。

 

 

民藝の定義については、定義というのは、変わらないもの。柳は当時、名前がないから”民藝”と名付けたのです。そうお話くださいました。つまり、時代が変わっても定義は変わらないから、時代に合う・合わないは関係がない。定義に合わないものは、”民藝”と呼ぶことができないんだな。と学びました。自分の旅の意味も、わからなくなって、足が震えました。

「どんな本を読みましたか?」

月森さんが、優しく聞いてくださったので、今までに読んだ民藝関連の本の名前をあげました。すると、

民藝四十年。売店にも売っているので、これを読んで、それでまたわからないことがあったら来てくださいね。」

そうか、その本にもっと…答えが…

 


※2019年3月現在読み進めていますが、正直、民藝の1冊目にはオススメできません…カルピスの原液をジョッキで飲むイメージです。おすすめの本も後日紹介していきます。

 

 

 

恥を書き連ねて、呼吸困難を起こしそうなので、ここで一息つきまして。
民藝について気になっている方、東堂の体験を踏み台にして、失礼のない訪れ方、メモをお願いします。

\日本民藝館 訪問前の行動ポイント/
(1)「民藝四十年」を読む
(2)学芸員さんと話したい場合は、事前にアポイントをとる
(3)質問を用意しておく(事前に送ると、より良いのかも)

きっと、良識のある方々にとって、当たり前の行動だったのでしょう。よくよく思い返せば、小学校の社会科で習ったことでした。

お忙しい学芸員さんの時間をいただいたにも関わらず、自分の不勉強で時間を無駄にさせてしまいました。本当に申し訳なくて、恥ずかしいを通り越して悲しくなりました。と、同時に。(美術館って、ふらっと来て、疑問を持った時に、学芸員さんとお話しちゃダメなんだっけ……)と疑問が湧きました。しかし、郷に入っては郷に従え。次回はしっかりと、本を読んで、アポイントをとってから訪れます。

 

もじゃもじゃ絵描きの旅、つづく。